江村さんの歌っていうのは、男のコンプレックスをチクチクチクチク突いてくる。
「人間、生きてれば、そういうことあるよね」ってのを、ずっと引きずってるんですよ。
全部そうなんです。ずっと、そういうことを歌っている。
あの人はすごい。男の歌を歌っている気がするんです。
男ってのは、仕事もしないといけないし、つき合っている女性(ひと)にも気を配らないといけない。
男の歌を歌う。そこが江村さんの魅力なんです。ただ、それを受け止められる人は、すごく少ない。
実際、厳しいんですよ。いまの世の中さ、いろんなことを思ったり考えたりしている人って、少ないんです。
ヒップホップとかのライブって、悪いけど、浅い。
ショックや挫折って、昔だったら高校生ぐらいのときに感じる人が多かった。
いまは社会人になって、それも三十近くなってから、やっと感じる人が多いと思う。
そういう時代だから、江村さんの歌って、解っている人はたぶん少ないんです。
解っている人も、かなりきつい。一回受け止めちゃうと、たぶん好きになると思うけど。
そこが江村さんの魅力。悪いけど。 |